前回は、【女性と仲良くなる話の聞き方~視覚情報編~】と題しまして、主に「ノンバーバル(非言語)コミュニケーション」のうちの、視覚情報(表情や仕草など)について説明させて頂きました。
今回は、「ノンバーバル(非言語)コミュニケーション」のうちの、聴覚情報(話し方・声のトーンなど)について詳しくご説明させて頂きます。
【聴覚情報編】「聴覚情報」は会話相手に38%の影響を与える!
「メラビアンの法則」によると、聴覚情報(話し方・声のトーンなど)は、会話の相手に38%の影響を与えるそうです。
つまり、男女が会話でコミュニケーションを取る際、男性は「女性の耳に自分の話し方がどう聞こえるか?」についてもしっかり考えて行動しなければいけません。
「聴覚情報」の相手への影響力は約4割もあるわけですから、決しておろそかにすることはできません。
ちなみにみなさんは、「男は目で恋をし、女は耳で恋をする」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
これは、男性は視覚で感情を刺激されやすく、逆に、女性は聴覚で感情を刺激されやすい、という意味です。
女性が聴覚の刺激(言葉や声)に敏感なのは、「脳の仕組み」と「大昔の習慣の名残り」など、様々な理由があると言われています。
例えば、最近になって世の女性たちが声優タレント夢中になっていたり、タレントの福山雅治さんの声が好きだという女性が多かったりと、何かと男性の「声」に敏感な女性がいるのは、「女性が聴覚刺激に弱いから」だと言えそうですよね。
ならばやっぱり、男性は自分の「声」を重視して女性と会話をすべきですね!
【共感力を高めるポイント(聴覚情報編)①】声のトーン
「声のトーン」が「高い」or「低い」とは?
「声のトーン」は、男性自身の性格(元気だとかおとなしいとか)が反映されやすいので、人それぞれで「高いor低い」の基準が異なります。
また、TPO(時間・場所・機会)によっても、最適な「声のトーン」は変わってきます。
ですから、「声のトーン」とは一つの正解がなく常に流動的なものですから、なかなか「こうあるべき!」と断言しにくいのです。
だからこそ、状況に応じて最適な「声のトーン」を選択することは難しいと言えます。
そもそも、「声のトーン」が高い、もしくは低いということは、具体的にどういうしゃべり方を言うのでしょう?
最も分かりやすい例は「飲食店の店員さん」です。
飲食店において、声のトーンが高い職種は「居酒屋」「牛丼チェーン」「ハンバーガーショップ」などのいわゆる「大衆飲食店」が多く、一方で、声のトーンが低い職種は「高級フレンチ店」「高級和食店」「高級料亭」など、つまりは「高級飲食店」です。
「大衆飲食店」は、多くのお客さんに気軽に利用してもらうという目的が主となり、「元気さ」と「親しみ」をアピールするために、声のトーンを高くして接客します。
一方で「高級飲食店」は、高級感を演出するという目的が主となり、「丁寧さ」と「落ち着き」をアピールするために、声のトーンを低くして接客します。
「大衆飲食店」の店員さんの感じで、「高級飲食店」の店員さんが「いらっしゃいませ~!」と言いながら客を迎え入れると、違和感しかありませんよね。
つまり、「声のトーン」とは、発話者の「目的」や「性質(性格)」によってしっかりと使い分けることで、相手に好印象を与えられるかどうかが決まる、というわけです。
男女の会話において、男性の「声のトーン」が女性に与える印象
男女の会話においても、男性が女性に対して自分をどう見せたいか(目的)、または、男性の本来の性格を考えた時に最も自然な声のトーンは(高いor低いの)どちらか(性格)、によって選ぶべき声のトーンは違ってくるでしょう。
というのも、声のトーンが「高いこと」と「低いこと」は、どちらにおいても、メリット・デメリットが存在するからです。
「声のトーンが高い男性」が与える相手への印象
メリット:元気、明るい、社交的(フレンドリー)である、若々しい、さわやか、などの好印象
デメリット:軽そう、落ち着きがない、緊張している、焦っている、などの悪印象
「声のトーンが低い男性」が与える相手への印象
メリット:落ち着きがある、大人っぽい、説得力がある、信頼感がある、安定感がある、などの好印象
デメリット: 元気がない、暗そう、ノリが悪そう、トロそう、などの悪印象
つまり、声のトーンが「高いor低い」は、状況や条件によってメリットにもなればデメリットにもなる可能性があるので、『声のトーンが「高いor低い」のどちらを選択するか?』の判断を誤ってはいけないのです。
男女の会話において、男性の「声のトーン」の「高いor低い」を決めるポイント
先に、『「声のトーン」とは一つの正解がなく常に流動的なもの』であると言いました。
つまり、男女の会話において、男性が相手女性に共感するすばらしき「聞き役」となるには、「声のトーン」の高低を条件や状況に応じて臨機応変に変える、すなわち声のトーンの高い・低いが混合した「ハイブリッド型」を目指すべきなのです。
では、男性の「声のトーン」の高低を決める条件や状況とは一体何を指すのでしょう?それは下記の5つです。
≪男性の「声のトーン」の高低を決める条件・状況≫
- (A)相手女性の話の内容
- (B)相手女性の性格
- (C)男性自身の性格
- (D)男性が女性にどう見られたいか?
- (E)男性自身の話の内容
[(A)相手女性の話の内容]とは、女性の話の種類が「喜怒哀楽」のどの感情に当てはまるかで、聞き役男性の声のトーンは変わる、ということです。
例えば、女性の話が笑い話ならば、女性は声のトーンを高くして話すでしょうから、男性も合わせて声のトーンを高くした方が効果的ですし、逆に、女性の話が深刻な相談話ならば、女性は声のトーンを低くして話すでしょうから、男性も合わせて声のトーンを低くした方が効果的です。
[(B)相手女性の性格]とは、女性のもともとの性格によって、聞き役男性の声のトーンは変わる、ということです。
例えば、女性が「元気・明るい・ハキハキしている」などの性格ならば、男性も女性のキャラに合わせて声のトーンを高くして接する方が話が盛り上がるでしょうし、逆に、女性が「おとなしい・静か・大人っぽい」性格でしたら、男性は女性の雰囲気に合わせるように声のトーンを低くして接する方がいいかもしれません。
ただし、女性は自分の性格とは正反対の性格の男性に惹かれることも多々ありますから、男性は女性と会話をしながら状況を見つつ声のトーンの高低を調整した方がいいですね。
[(C)男性自身の性格]とは、男性自身の本来の性格(キャラクター)に最も合った声のトーンを選ぶ、ということです。
つまりは、男性自身が無理をせず、あくまでもナチュラルに話す、ということです。
先にも言った通り、『「声のトーン」は、男性自身の性格(元気だとかおとなしいとか)が反映されやすい』です。
ですから、普段おとなしく静かな男性が、女性と話す時だけ、声のトーンを上げてテンション高く接することはかなり大変なことかと思います。
そういう男性が無理して声のトーンを高くしたところで、違和感も出てくるでしょうし、ボロも出てくるでしょう。要するに「無理がある」ってことです。
となると男性は、自分の性格(キャラクター)を考えた際に、もっとも自分に合う「声のトーンの高いor低い」が自然と決まる、と言えますよね。
元気で明るい性格の男性は、声のトーンを高いままに女性に共感する、また、おとなしく静かな性格の男性は、声のトーンを低いままに女性に共感することで、偽りなく素の自分をありのまま相手女性に見せられるので、かえって女性に「裏表がない」という好印象を与えられることがあります。
[(D)男性が女性にどう見られたいか?]とは、男性の本来の性格に関係なく、演出的にどう「声のトーン」をコントロールするか、ということです。
この場合、男性はある程度「演技力」と「表現力」が必要となってきます。(つまり(D)は先に挙げた(C)とは対極にあります。)
例えば、男性が多少を無理してでも(本来の話し方とは異なっていたとしても)、女性に自分を元気よく明るく見せたいならば声のトーンを上げるべきですし、女性に対して自分に大人っぽさや安心感を演出させたいならば声のトーンを下げるべきでしょう。
つまり、女性に見せたい理想の男性像を、声のトーンによって演出し表現する、ということですね。
[(E)男性自身の話の内容]とは、男性の話の種類が「喜怒哀楽」のどの感情に当てはまるかで、男性の声のトーンは変わる、ということです。
男性の話の種類が「喜怒哀楽」のどの感情に当てはまるか、と考える時は、主に男性が話し手となって男女の会話を進める時でしょう。
なので、男女の会話において男性が聞き役となる場合は、この(E)の事項はそこまで考えなくていいでしょう。
まとめれば、これまでに挙げた(A)~(E)については、男性はTPOに合わせて声のトーンを流動的に判断するべきですが、さらには「男性自身の器用さ(演出力と表現力の高さ)」を加味した上で判断されるべきことでもあるのです。
【共感力を高めるポイント(聴覚情報編)②】発話のスピード
「発話のスピード」とは、基本的に、先に挙げた「声のトーン」と合わせて考えるべきことであります。
というのも、「声のトーン」が相手に抱かせる「自分の印象」は、「発話のスピード」によって少しずつ変わってくるからです。
≪「声のトーン」×「発話のスピード」によって相手に与える印象の変化≫
- [声のトーンが高い]×[速いしゃべり方]=元気で明るい(ハキハキした)印象
- [声のトーンが高い]×[ゆっくりしたしゃべり方]=優しくて寛大な印象
- [声のトーンが低い]×[速いしゃべり方]=知的で頭の回転が速い印象
- [声のトーンが低い]×[ゆっくりしたしゃべり方]=落ち着きがあって寛大な印象
つまり、「声のトーンの高低」に「発話スピード」を掛け合わせることで、種類の違う印象を相手に与えることができる、というわけです。
男女の会話において言えば、「声のトーンの高低」と「発話スピード」をうまく組み合わせることで、TPOに最も合う「話し方or聞き方」を選択することができ、さらには、多くの種類の違う印象を相手女性に与えることで、男性自身の人間的な深みや魅力(多面性・ミステリアス性など)を相手女性にアピールすることができます。
ですから男性は、「声のトーン」と「発話スピード」はセットにして考えて会話を展開すべきだと言えます。
また、「発話のスピード」は、時に話し手の話に「面白さ」や「臨場感」を増す要素にもなります。
「発話のスピード」が直接的に話の内容に影響する場合は、ただの「スピード」として(機械的に)表現するよりは、「テンポ・リズム」と表現すべきだと(個人的に)考えます。
次で「話のテンポ・リズム」について説明します。
【共感力を高めるポイント(聴覚情報編)③】話のテンポ・リズム
「テンポ」と「リズム」は、もともと音楽の言葉です。
テンポとは「拍」の時間的長さを指し、例えば、1分間でメトロノームの針が何回打つか、という話です。リズムとは、音符の並べ方であり、4ビート・8ビート・16ビートなどのビートを刻んで全体的な曲の流れを作るものです。
「テンポ」と「リズム」を人の話し方として説明すれば、「テンポ」は一語の長さ、「リズム」は文全体の流れの早さや抑揚、と置き換えることができます。
人の会話では、話し手と聞き手が意思疎通を図る上で、この「テンポとリズム」が非常に重要な要素となります。
というのも、二者間で会話がいまいち盛り上がらないのは、お互いに会話の「テンポとリズム」が合っていないこと、が一番の理由として挙げられるからです。
よく考えてみてください。自分と気が合う相手や、自分と話が盛り上がる相手は、おそらく自分のトークにおける「テンポとリズム」がよく似ているのではないでしょうか?
つまり、二者の会話における相性は、トークにおける「テンポとリズム」で決まると言っても過言ではないのです。
男女の会話において、女性が話し手で男性が聞き手として話が進んでいく場合、男性は女性のトークの「テンポとリズム」に合わせて、相槌をしたり、言葉を入れたりすることで、会話が盛り上がっていくでしょう。
逆に、男性が女性のトークの「テンポとリズム」に合わせずに適当に聞き役をこなしていたら、会話に「違和感」や「たどたどしさ」が生まれます。
例えばこの状況をカラオケで例えるなら、曲のリズムとは全く合わないリズムで手拍子をするようなものです。
曲のリズムに合わない手拍子をされると、歌っている側は非常に気持ち悪さを覚えるはずですよね。
会話においても、二者の「テンポとリズム」が合わないことで、お互いに不快感や気持ち悪さを覚えてしまうわけです。
話を主体的に進める女性は、自分の本来の「テンポとリズム」でトークを進めます。
女性からすれば、その「テンポとリズム」が最も自分に心地よいのです。
ですから、トークを展開している女性に不快感や気持ち悪さを与えないためにも、聞き手としての男性は、話し手の女性の「テンポとリズム」に合わせて、相槌や返事を入れるべきなのです。
男性が女性の「テンポとリズム」を同調させて会話を進めることができれば、男性は女性の共感を得やすくなり、会話も盛り上がりやすく(続きやすく)なり、お互いの仲をより深めることができます。
では、男性が女性の話の「テンポとリズム」に同調するには、具体的に何をすればいいのでしょうか?
男性が女性のトークの「テンポとリズム」に合わせるポイント
- 女性の話に相槌を繰り返すことで、女性の話の「テンポとリズム」を掴む
- 男性が話を間に挟むとき、女性の話の「テンポとリズム」を真似してトークする
- 女性の話の「テンポとリズム」と崩さないよう、会話全体を一定の「テンポとリズム」に保つ
- 女性が話題を変えた際にトークの「テンポとリズム」が変わったならば、男性もその変化に合わせて「テンポとリズム」を調整する
女性は、本来自分自身が持っている「テンポとリズム」で会話を進めますから、女性が期待する場所で男性に「相槌」や「返事」をしてほしいと(無意識に)思っています。
その「女性が期待する場所」でうまく男性が反応することで、女性は相手男性との会話の相性の良さを感じることができます。
まず男性は、女性の会話の「テンポとリズム」をなるべく早い段階で掴むこと。
そして、女性の会話の「テンポとリズム」に男性が合わせること。
男女の会話では互いに「テンポとリズム」を同調させることが重要なんです。
【共感力を高めるポイント(聴覚情報編)④】会話の「間」
よくお笑いの世界で『「間」は大事だ』と言われますが、「間」は私たち一般人にとっても重要です。
というのも会話の「間」は、「無言のメッセージ」であり、いろいろな意味を相手に伝える、また、会話において様々な役割を担うからです。
会話における(聞き役が取る)「間」の意味
相手の話に対して「間」を取ることで可能になることは以下の通りです。
- 「自分は一生懸命考えて答えを出す」という真剣さを相手にアピールできる
- 「相手の話をしっかり聞いている」という真面目さを相手にアピールできる
- 「相手が話を終えるまで待つ」という優しさや寛大さを相手にアピールできる
等々
会話における(聞き役が取る)「間」の役割
相手の話に対して「間」を取ることで可能になることは以下の通りです。
- (相手の話が早い時に)相手の話すスピードを抑えることができる
- 自分が会話をコントロールして主導権を握ることができる
- 別の話題に変えることができる
- 相手の期待感をあおることができる
- 自分の答えや意見を相手に強調できる
- 会話全体に緩急や抑揚を付けることができる
- 会話を論理的に展開することができる
- (会話に対する)お互いの理解度に合わせて会話を進めることができる
- 相手の怒りや焦りを鎮めることができる
- 無口な人、話下手な人に話をしてもらいやすくする
等々
つまり、会話で「間」を上手く使うことで、両者間のコミュニケーションが成立しやすくなり、時に、自分に有利に会話を進めやすくなる、というわけです。
男女の会話において、女性が話し手、男性が聞き手となった場合、会話の主導権は女性にありますから、男性は女性の会話に合わせてリアクションを取る必要があります。
そのため、聞き役の男性は自分が発話をして会話をコントロールすることがあまりできません。
ですから男性は、女性が話し手となって進む会話に対して「間」を使うのです。
男性が会話で「間」を上手く利用することで、表立ってではなく裏で会話全体をコントロールすることできるというわけです。
さらに、男性が女性の話に対して適切に「間」を使うことで、男性の聞き役としての姿勢を女性によく見せる「演出的効果」が期待できます。
聞き役男性が女性との会話で「間」を使うことの利点
男性が話し手の女性のトークに対して適切な「間」を使ってリアクションすることで可能になることは以下の通りです。
- 女性の話を真摯な態度で聞いていることをアピールできる
- 男性自身の言葉に女性を注目させることができる
- 興奮している、または焦っている女性の気を落ち着かせることができる
- 早口女性のスピードを遅くすることができる
- 話下手な女性でも会話が成立する可能性を高めることができる
- 会話全体に緩急や抑揚を付け、会話を一層盛り上げることができる
- 笑いが生まれやすい会話を展開することができる
等々
二者が互いに言葉を紡ぐことで「会話」が成りたつからこそ、言葉ではない「間」ってとっても目立つんですよ。
「間」は会話で目立つからこそ、時に言葉以上に重要視すべきポイントとなるのです。
まとめ
というわけで、「ノンバーバル(非言語)コミュニケーション」の「聴覚情報」について今回は説明させて頂きました。
今回は、主に男性が聞き役となった場合に限定して説明しましたので、機会があれば、男性が話し役となって男女の会話を進める際の「ノンバーバル(非言語)コミュニケーション」についてもいつか説明させて頂きたいと思います。
「あの人、話の内容はそうでもないのに、会話が楽しいんだよなぁ」って思う人ってたまにいるでしょう?
そういう人は、「ノンバーバル(非言語)コミュニケーション」のポイントを押さえて会話をしているんですよ!
そういう「視覚情報」と「聴覚情報」の相手への伝え方がうまい人が近くにいましたら、ぜひ参考にしてください!